« 10月月例登山「女神山」 | トップページ | 11月月例登山「小影山」 »

2008年11月16日 (日)

登山に役立つ話(42)「鳥海山のこと、その3」

   鳥海山の植物について

  *「基準標本」のこと

 ある植物の命名の基準になった標本のことを「基準標本」といい、これはすべての高等植物が持ちます。植物の『同定』とは、この「基準標本」との異同を決定することです。日本の植物の「基準標本」の約半分は欧米にありますから、日本の植物学者たちは、努力して「参考標本」もこしらえました。知らない植物の名をたしかめるときは、植物図鑑、「参考標本」に当たればいいわけです。

 *鳥海山の
   「基準標本」たち

 高山植物には、分布上では「日本固有」が多くなります。鳥海山を「基準標本」とする高山植物を調べてみました。
  ミヤマウスユキソウ(キク科ウスユキソウ属)、ウゴアザミ(キク科アザミ属)、チョウカイアザミ(キク科アザミ属)、オクキタアザミ(キク科トウヒレン属)、ヒナザクラ(サクラソウ科サクラソウ属)、ハクサンフウロ(フウロソウ科フウロソウ属)、タカネザクラ=ミネザクラ(バラ科サクラ属)、チョウカイフスマ)ナデシコ科ノミノツヅリ属)、タカネスズメノヒエ(イグサ科スズメノヤリ属)、オオヒカゲガリヤス(イネ科ノガリヤス属)などが上げられています。
 県版「レッドデータブック」によれば、これらの多くが「絶滅危惧種」、「準絶滅危惧種」にいれられ、それらの生存への脅威として、分布局限、踏みつけ、道路工事、火山噴火、園芸採取などをあげています。今後は、地球温暖化、他域植物の侵入なども考えなくてはなりません。

 *鳥海山のヒナザクラは、
 「日本植物学
    独立宣言」の金字塔

 初代日本(東京)植物学会会長谷田部良吉(1851~1899)は、一八九〇年(明二三)、英文論文を発表して、「日本人自らが植物の新種に学名をつける」と宣言し、鳥海山のヒナザクラを発表しました。
 これは、鳥海山にとっても、ヒナザクラにとってもたいへん名誉なことでした。わずか百二十年ほど前の日本の植物学の様子が知られ、感慨無量なものがありますね。

« 10月月例登山「女神山」 | トップページ | 11月月例登山「小影山」 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/70904/43130257

この記事へのトラックバック一覧です: 登山に役立つ話(42)「鳥海山のこと、その3」:

« 10月月例登山「女神山」 | トップページ | 11月月例登山「小影山」 »

2009年12月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近のトラックバック