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2008年10月28日 (火)

登山に役立つ話(41)「鳥海山のこと、その2」

 鳥海山の気象について

 前回、鳥海山のような日本海側の高山では、厳冬期には世界一の積雪、強風にさらされることが、「偽高山帯」をつくる理由だとのべました。

 * 鳥海山の雪
 秋田での高齢者大会に招かれた長野県栄村長高橋彦芳さんは、村には積雪七メートルの記念碑があると話されました。山では、これに数倍する雪が降ります。
 昭文社エリアマップ「鳥海山」の調査・執筆をした池田昭二さんは、「鳥海山では、吹きだまりも数えると厚さ九十メートルもの積雪地点がある」と話しました。これは驚異です。残雪(雪渓)の大きさ、長さからしても、鳥海山はわが国有数のものです。月山の夏スキーが喧伝されます

が、鳥海山の東面の残雪の大きさには及びもつきません。

  * 冬の季節風の
     ものすごさ
 冬、西高東低の気圧配置(冬型)が、日本海側の地方に寒気と降雪をもたらします。北極地方に中心をもつ高気圧・寒気は、日本あたりの中緯度では波形を呈しますから、それが移動性の高気圧、低気圧として現れます。
 つよく寒い高気圧が日本海を渡るときに、暖かい日本海の水蒸気を十分に含んで、日本にやってきます。これが、鳥海山、出羽丘陵、奥羽山脈に衝突して大雪を降らせます。海から直接にせり上がる鳥海山では、冬の風は強烈です。山の風速は、ときに平地の七倍、十倍にも達しますからたいへんです。

  * 案外に高い、
     鳥海山の気温
 では、厳冬期の鳥海山の気温も、シベリアに近い分寒いのかというと、そうではありません。鳥海山の真冬の強風時でも、せいぜいマイナス二〇度くらいまでで、ふつうはマイナス一五度どまりです。これは、内陸の蔵王連峰熊野岳あたりで、しょっちゅうマイナス三〇度以下になるのと比較しても暖かいといえます。

 * 秋→冬は、
   めったに晴れない
 冬に鳥海山が晴れるのは、大きな高気圧に上空が覆われたとき。これは、月に一、二回しかありません。また、日本海に低気圧が入ってきたとき。これは、疑似晴天といって山の遭難を招くことが多いものです。

  書き尽くせませんが、鳥海山は、その位置、高度からして、秋田県内の他の山に比して、いくつもの特異な気象現象をもつといえます。冬に限らず、いったんお天気が崩れたら「危ない山」だということも知っておきましょう。

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